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「ハイパーループ」と「ループ」は全く別物なんだが・・・ [科学技術]

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悪気はないにしても、まったく中身を理解せず、書いてしまう技術系記事というのは、罪深い。

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イーロン・マスクの地下輸送システム「ハイパーループ」計画が、規模を縮小して動き始めた|WIRED.jp

これなんかもその一つ。

イーロン・マスクが提唱している「ハイパーループ」とは、真空に近いパイプの中に、浮上する車両を高速で走らせる新しい高速交通システムだ。

それに対し、この記事で言及している「ループ」は、大都市の地下にトンネルを掘って、そこに自動運転のEVを走らせる都市型交通網だ。

同じくイーロン・マスクが提唱している新しい交通システムではあるが、全く別の目的で、別の技術に基づく交通網であって、「ハイパーループ」と「ループ」とは何も関係がない。

ところが、上の記事では、それを「ハイパーループ」と「ループ」という名称が似ていることからか、あたかも「ループ」が、「ハイパーループ」を実現するための前段階のシステムだと思ってしまったらしい。

いやいや、いくら「ループ」が実用化に近づいたって、「ハイパーループ」の実用化が近づくことなどないから。

「ハイパーループ」が走るパイプは、基本、メンテができる地上にあり、中が常に真空に近い状態に保たれるし、中を走る列車車両は、磁気浮上しながら、リニアモーターで音速に近いスピードで走り、中の人間は普通にいられるよう気密性の高い多人数が載れるシャトルとなっている。

「ループ」の地下トンネルは、単なるトンネルであり、気圧は地上と変わらない。中を走る車両も、ある程度自由な場所で乗り降りでき、家族などの単位でまさに自家用車のように使うことを想定している。地上も走れるEVなので、走る速度も普通の車と同じだ。

どこにも技術的にもビジネス的にも全く共通点はなく、「ハイパーループ」も「ループ」も全く別々に開発が進められているに過ぎない。

技術系の記事を書くなら、もうちょっと、取材対象を勉強してから、記事を書いて欲しいものだ。自分がわからないなら、わかる専門家にアドバイスを貰うぐらいできるだろう。
WIRED.jpのような一般的には技術系の記事も多いメディアが、こんなでたらめな記事を書くというのはガッカリだ。

こういう記事を読んでしまうと、自分が知らない分野の技術系の記事の内容にも、同じような疑いを抱いてしまうんだよな。

さて、「ハイパーループ」も「ループ」も、技術的には可能だとは思うが、果たしてイーロン・マスクがもくろむような低コストで実現出来るということは、全く信用していない。
それらを実現するのに必要な未解決の技術で、いまだ、何も解決していない点が多過ぎるからだ。

宇宙旅行の実現も含め、イーロン・マスクは希代のうそつきなのか、それとも、かつてない天才なのか、これからが見ものだと思う。

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