ネットに広がる「フェイク・ニュース」― 嘘と真実の見分け方とは | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

「フェイク・ニュース」という言葉自体を、最近よく聞くが、最初は、日本でもよくある芸能誌系のいい加減な記事、程度のことだと思っていた。
しかし、米国大統領選挙で「フェイク・ニュース」が果たした役割に関する調査報道の記事を読んで、事態はもっと深刻であることが分かった。

偽ニュースが民主主義を壊す Facebookが助長したその実態とは?

まず、「フェイク・ニュース」の概念自体が違った。日本のいい加減な記事どころではなく、完全にアフィリエイト収入獲得だけを狙った、意図的な嘘の記事が、全米を混乱させ、動かしたのだという。

そうした嘘ニュースを流した中心人物は、実は、旧ユーゴスラビアを構成していたマケドニアの若者たちだったという。
小国マケドニアの国内事情は悪く、若者には仕事がない。そうした若者が、140以上のアメリカ政治サイトを立ち上げ、そこで、嘘ニュースを流し続けたのだそうだ。

面白いのは、最初は、共和党、民主党両方の支持者向けのウソ記事を掲載し続けたのだが、民主党支持者向けの記事のアクセスはさほど増ないのに、トランプを支持する層は、それを鵜呑みにしてFacebookで拡散し、それが、世界中のメディアで誤って報道されるまでになってしまったという。

「ヒラリー・クリントンは電子メール問題に絡み、2017年に起訴される」というウソニュースなども、私も知っているぐらいなので、最終的には、おそらく日本でも主要ニュースサイトや新聞、テレビ、ラジオなどでも報道されていた気がする。

これらのサイトを運営する若者によると、「右翼はファクトチェックをせず都合のいいウソを信じる」のだそうだ。